最近、犬に手作りごはんの投稿をSNSで見かけるのですが…ワンちゃんにとって、ドッグフードよりも手作りごはんの方が良いのでしょうか?
確かに最近、手作りのごはんをあげている飼い主さんは増えてきていますね。それでは、今回はテーマは「手作りごはん」にしましょうか!
人でもワンちゃんでも、猫ちゃんでも「手作り」のご飯と言う響き、なんかいいですよね。愛情たっぷりの手作りご飯♪
でも、本当に栄養的に満足がいく手作りごはんが作れるか、不安もあるんです…
お、素晴らしい視点ですね!では、ペットフードにおける「手作りご飯」の特徴について説明しましょう。
早速ですが、皆さんAAFCOってご存知ですか?
先生!いつもこの用語の質問、難しいです(笑)
すみません(笑)でも、大切なことなので説明させて頂きますね。
AAFCOとは
Association of American Feed Control Official
の略で米国飼料検査官協会と言う団体の略称です。この協会が提唱している栄養組成を元に、日本のペットフード協会も総合栄養食(ペットフード)の栄養組成を決定しているんですよ。
へぇ…!ペットフードの栄養について考える団体なんですね。
あくまでの一つの基準なのですが、我々も、自分に必要な栄養素などを考える際にも栄養摂取基準を参考にしませんか?
うーん…あまり難しいことは考えないですが、ビタミンやタンパク質・脂質・炭水化物などバランス良く摂取できるように、意識はします。そんなにちゃんとは出来ていないかも…
そうですよね。人間が自分の食事を手作りする時にも、必要な栄養素を常にきっちり満たすように調理することって、難しいですよね。
自分の料理を作るときでも、「これで栄養足りてるかな」「カロリー高すぎないかな」とか色々気にしてしまいます。
では、先ほどお伝えした「必要栄養素」と言うキーワードが大切になるので、頭においておきましょう!
手作りご飯が注目の理由
ワンちゃんの手作りごはん、本当に注目されているなぁ…と獣医師である私としても感じています。
私が子供の頃は、あまり良いドッグフードがなかったせいか、またワンちゃんの飼い方が今とは大きく異なっていたせいか、手作りごはん と言うか、いわゆる「人の食事の余り物」をワンちゃんにあげると言う風習がありました。
小さい頃、田舎のおばあちゃんちに遊びに行くと、人間の白米やおかずをあげていたのを覚えています。
なので、その時代は手作りご飯が良いものと言う感じはなかったのですが、最近では、「愛する我が子のために…」と言う印象で、手作りごはんが非常に注目されています。
手が込んでいると、愛情をかけているように見えますし…
そんな中でも特に手作りが流行するようになったは、やはりSNSの影響が非常に大きいと思います。
「愛情」≒手作り、手作りは見栄えがいい。いわゆる”映える”などの理由から手作りご飯が非常に流行っているのは現状でしょう。
犬の食事にも「映え」が必要な時代なんですね。
でも「映え」を意識するあまり、犬の健康に害を及ぼしてしまったら元も子もありません。そもそも、ドッグフードと何が違うかをご説明しますね。
犬の手作りごはんとドッグフードの違い
先にも述べました通り、AAFCOが設定している「必要栄養素」を規定量の給与で過不足なく給与可能として作られているのが「犬用総合食」いわゆるドッグフードです。
じゃあ、ドッグフードをあげている方が、栄養が満たされているということですか?
そうですね。これは長きに渡る研究データを元に作られている栄養素の基準なので、「これだけあげていれば大丈夫」と言うのがドッグフードの基準となっています。
そっか…じゃあ、やっぱりドッグフードをあげていることが
犬の健康にとって大切なんですね!
ただ、全てのドッグフードがそうか?と言うとそうでもないので、いわゆるプレミアムフードと言われているもの、きちんとその基準を満たしているものを選ぶ目も必要ですね。
手作りごはんは、飼い主様がご自身でワンちゃんのメニューを考え、食材を選び、作られているものと思います。でも、その中で、いつも「必要栄養素」を意識して作るのは非常に大変ではないでしょうか?
正直、犬のごはんまでしっかり栄養を考えて作るのは難しいなと思ってしまいます。
犬の手作りごはんを作っている方は、家族の献立の材料で一緒に作ったり、ワンちゃん用に特別に作ったりと、毎日、毎回、工夫をされて作られているのだと思います。
でも、ナチュロルのようなドッグフードなら、手間なく安心して栄養管理ができるってことですね!
犬の手作りごはんに使われる食材はドッグフードと同じ?違う?
佐野先生。ちなみに、家で手作りする食材と、ドッグフードに使われている材料って、同じですか?違いがあるんですか?
これは、非常に難しい質問ですね(笑)。この記事を読まれている飼い主様が、どのように食材を選ばれているか?によっても「同じ」「異なる」は違ってきます。
例えば、「うちでは全ての食材を製造元がはっきりしている無農薬やオーガニック素材のものを使って料理をしています」と言うご家庭であれば、ドッグフードで使われている食材よりいいものを使われている可能性は高いですが、そう言うことには気にしないで食材を選び、使われている場合には、ドッグフードの食材の方がいい場合もあります。
すみません、難しい質問してしまって(笑)
何れにしても、毎日口にするものですから、ドッグフードは体に悪いものではありませんから安心してください。でも、そのドッグフードがどのくらいこだわった食材が選ばれているか?がこの違う・同じを決める基準になると思います。
例えばナチュロルですが、こだわりの厳選素材、無添加と言う点では、普段、私が手に取る食材よりは非常にいい素材でできているものと言うことができます。ワンちゃん、羨ましい・・・・(笑)
ウッ…耳が痛いです~。私が普段食べているものより、ナチュロルを食べている犬の方がいいもの食べていいますね…
犬の手作りごはんの注意点
ちなみに、犬の手作りごはんの注意点って他にもあるんですか?あげてはいけない食材など…
ワンちゃんにあげてはいけない食材については、しっかりと理解しておいてもらう必要があります。
まずはネギ類です。玉ねぎ、長ネギ、ニラなどネギの成分はワンちゃんにとっては非常に悪いです。ぶどうや、生の魚介類も厳重注意が必要です。絶対に、あげてはいけません。
ネギ類は有名ですが、生の魚介類は初耳でした!
レバーや、鳥の骨、煮干しや海苔なども含有ビタミンの量、塩分の面や、消化管を傷つけたりと注意が必要な素材はたくさんあります。
味付けはいりますか?
味付けも基本的には素材の味だけで十分ですので、塩、胡椒、砂糖などなどの調味料は一切不要です。
こういったことにを基本的に注意しながら、もし手作りごはんを作る場合には、臨んでくださいね。
犬の手作りごはんとドッグフードどっちの方がいいの?
佐野先生、色々教えてもらって理解は深まりましたが…結局、獣医師としては、手作りごはんとドッグフードおすすめするとしたらどちらですか?
これも難しい質問です。人に置き換えてしまうと厄介ですよね。
必要栄養素がきちんと満たされている宇宙食のようなご飯を毎日食べる
のと、必要栄養は満たされていないかもしれないけど、あったかい、手作りご飯を食べるのとどっちがいい?と聞かれると、間違いなく、後者ですよね。
確かに、私はあったかい食事が嬉しいですが…でも、犬の場合も同じ感覚なのかがわからないです。
実は、ワンちゃんの味覚は人より非常に機能が乏しく、食べ物の「嗜好性」を決定する要因は匂いと歯ごたえであると言われています。だからこそ、これだけあげれば十分な栄養管理ができると言う、ドッグフードを利用しない手はないのではないでしょうか?と私は思います。
犬のごはんでは、味覚よりも、匂いと歯ごたえがポイントなんですね。
そうです。味覚よりも、嗅覚が非常に発達しているので、匂いは大切ですよ。
また、動物管理のプロ、病気の管理を常にしている獣医師と言う立場から言えば、栄養素はしっかり満たしていて、素材の成分もわかり、病気になるような成分は含んでいないことがわかっているドッグフードを利用しない手はないと強く言いたくなります。
たしかに!栄養素も満たして、素材の成分もわかる…病気になる成分が含んでいないって、ナチュロルなら自信をもっていえますもんね。
事実、私の実家のワンちゃん(雑種、15歳)はドッグフードしか食べずに元気に楽しく暮らしています。
ですから、私としては、ドッグフードを食事の基本として、たまに食欲が無くなったり、いい素材の食材が入ったからワンちゃんにもおすそ分けしてあげたいなという時には、ドッグフードにちょこっとトッピングとして混ぜてあげるくらいにしてあげるのがおすすめかな?とも思います。
わかりました!トッピングについては、今度、どんな食材がいいかなどアドバイスお願いします!
そうですね。ワンちゃんの食欲がない時、水分などを余分に取らせてあげたいとき、などにもこのトッピング方式はおすすめです。今度、トッピングについてもお話しましょうか。
ちなみに…私の勤めている大学でもデータの解析研究が行われましたが、現在、様々、報告されているワンちゃんの手作りレシピで、AFFCOの栄養基準を満たしているものは「ほとんどない」と言うのが現状のようです。
やっぱり、犬の手作りごはんはハードルが高いんですね…!とにかく、私は佐野先生がおすすめするナチュロルを引き続き与えていきたいと思います♪
今日も詳しく教えてくださり、ありがとうございました。
また、なんでも聞いてくださいね♪
はい!今後は、水を飲まなくて困った時のこと、教えてもらいたいです!
佐野忠士先生 酪農学園大学 獣医学群 獣医学類 獣医麻酔学ユニット 准教授 小さい頃から生き物が大好きで、獣医師になる!という宣言を小学3年生の時にした時には両親はもちろん、親戚一同も「ただしなら・・・」と全員が納得! 獣医師になってからも動物好きは変わらず、どんどん深く深くの愛情へと・・・ 今は、縁の下の力持ち 的な 麻酔管理、疼痛(とうつう)管理、集中治療管理と人間の言葉を話せない動物たちの苦痛を取り除く分野の専門家として働けることを 誇りに思っています! |
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