【獣医師コラム File:5】犬の歯磨きは必要?磨き方のコツや体勢を徹底解説!歯石の除去は全身麻酔?
佐野先生コラム1

今日は佐野先生に「犬の歯磨き」についてお伺いしたいです。そもそも、犬も歯磨きが必要ですか?

佐野先生コラム2

ワンちゃんには人のいわゆる「虫歯」(齲歯;うし)はありません。「じゃぁ、ハミガキは必要ないんじゃないの??」という声が聞こえてきそうですが、そんなことはないのです!

佐野先生コラム1

犬は虫歯がなくても、歯磨きが必要なんですね。なぜでしょうか?

最近では、人でも歯磨きは食べ残しなどをしっかり取り除き、虫歯を防ぐということと合わせて、歯茎のケアをして、歯肉炎や歯周病、そしてそこを原因とする歯の抜け落ちを防ぐことが歯磨きの重要な目的になっていますよね?
 
ということで、同じ理由でワンちゃんにも歯磨きは必要!なのです。

 

佐野先生コラム1

歯磨きによって、ワンちゃんの歯肉炎や歯周病などの歯茎ケアをすることが必要であることがわかりました!ちなみに何歳ころから歯磨きをしたら良いのでしょうか?

佐野先生コラム2

歯磨きを開始する時期は、早ければ早いほどいいです。子犬のうちから「遊び感覚」で歯磨きを飼い主さんとのコミュニケーションの一環として始め、日常の行為として定着してもらいたいというのが正直な所です。

佐野先生コラム1

歯磨きをすることが、犬と飼い主のコミュニケーションになるとは新しい発想でした!楽しくワンちゃんの歯磨きができそうですね。

頻度も、人と同じ。ご飯の後、おやつの後など、とにかくワンちゃんとのコミュニケーションという考えを持っていただき、定期的に行うことを大切にしてください。ワンちゃんが飼い主様との歯磨きが楽しみ!と思うようになってもらえたら、飼い主様も、歯磨きするのが楽しみになりますよね。

 

佐野先生コラム1

人と同じく、ご飯やおやつの後が歯磨きのタイミングなんですね。犬も自分も歯磨きが楽しくなるように、コミュニケーションの一環としてやってみます!

歯磨きのやり方のこつとしては、小さなワンちゃんであれば、人間の赤ちゃん、小さな子供にしてあげるように、飼い主様の膝の上に仰向けに寝かせて、表側の歯と歯茎をコシコシコシ・・・としてあげて、次に口を開けて歯の裏側の歯と歯茎をコシコシコシ・・・とやってあげる方法がいいです。

 

佐野先生コラム1

犬の歯磨きも、子供の仕上げ磨きのような姿勢でするんですね。仰向けが難しい犬の場合は、どうしたらいいですか?

膝に仰向けに乗っけることが難しいワンちゃんの場合には、お座りや伏せなどワンちゃんがリラックスできる体勢であればどのような体勢で行っても構いません。

 

佐野先生コラム1

うちの犬は、仰向けが難しそうなので、お座りや伏せなどの姿勢での歯磨き、チャレンジしてみます。でも、そんなに上手にできるかなぁ…

でも、そんないきなり上手にはできない!という心配がありますよね。

最初っからいきなり上手にできなくても構いませんので、まずは歯ブラシをお口の近くに持っていく、口の中に入れてあげる、口の中で動かしてあげる、お口を開けることができる・・・と少しずつ少しずつできるようにしてあげてください!

 

佐野先生コラム1

先生、ちょっと気持ちが軽くなりました(笑)まずは、少しずつからワンちゃんの歯磨きをしてみます。

佐野先生コラム2

焦らずに、楽しい、ワンちゃんとのふれあいの時間という気持ちを忘れずに!!

佐野先生コラム1

歯ブラシはどんなものを使ったらよいのでしょうか?ペット用の歯ブラシは高いので、ドラッグストアなどで売っている乳幼児用の歯ブラシを使用しても大丈夫でしょうか。

これはとても難しいです。やはりワンちゃん用歯ブラシは、ワンちゃんのお口に、歯の形に・・・と適切な形で作られているので、ぜひワンちゃん用の歯ブラシで歯磨きをできるようにして欲しい所です。でも落ち着いて、しっかりと歯ブラシができるようになるまでの間の練習の間には、乳幼児用の小さな歯ブラシを使っても構わないと思います。

 

佐野先生コラム1

はい、犬用の歯ブラシを使いますね。でも、やっぱり歯磨きができるか心配です。どうしてもうまくいかないときは、どうしたら良いのでしょうか?

佐野先生コラム2

どうしても歯磨きがうまくできない時も、

  • 焦らず、めげずにお口を開けること
  • ブラシを口に入れること
  • ブラシをガシガシ噛んだりしないでいられること

ができるように、根気よく練習してもらいたいです。

それでも、うまく歯磨きができるまでの間には、お口のケアに役立つ口腔ゲルなどがあります。そういうもので、お口のケアをしておくこともおすすめです。

 

佐野先生コラム1

犬も歯石が歯石がと聞いたのですが、歯石が溜まったらどうなるのでしょうか?

歯石が溜まってしまった場合には、人の場合と同様でスケーリングという処置で歯石を削り取る必要が出てきます。人の場合には、普通にできますが、ワンちゃんの場合には全身麻酔が必要になってしまいます。(無麻酔での歯科処置についての情報も多々ありますが、獣医療における歯科領域では、無麻酔での処置は推奨されていないことを認識しておいていただきたいです)

 

佐野先生コラム1

犬の歯石取りは、全身麻酔になるんですか…

全身麻酔処置も、最近では安全性が向上してきていますが、飼い主様はご不安だと思います。そうならないためにも、日頃からの予防が非常に大切だという認識を持っていただくのが大切です!!

 

佐野先生コラム2

繰り返しになりますが、歯磨きは、ワンちゃんの健康のためではありますが、ワンちゃんと飼い主様との楽しい、大切なコミュニケーションの一つとして考えてみてください。
 
今まで以上に、もっともっとワンちゃんと仲良くなれる上に、お口の健康も保つことができる という一石二鳥の「おいしい」ものです。ぜひ、ワンちゃんの歯磨きを楽しんで実践してくださいね!!

佐野先生コラム1

佐野先生、犬の歯磨きについて理解できました!愛犬と仲良くなるためのコミュニケーションとして、楽しく実践してみます。

佐野忠士先生

酪農学園大学 獣医学群 獣医学類 獣医麻酔学ユニット 准教授

小さい頃から生き物が大好きで、獣医師になる!という宣言を小学3年生の時にした時には両親はもちろん、親戚一同も「ただしなら・・・」と全員が納得! 獣医師になってからも動物好きは変わらず、どんどん深く深くの愛情へと・・・ 今は、縁の下の力持ち 的な 麻酔管理、疼痛(とうつう)管理、集中治療管理と人間の言葉を話せない動物たちの苦痛を取り除く分野の専門家として働けることを 誇りに思っています!

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