【獣医師コラム File:1】犬の動物病院の選び方は?獣医師さんの良さはどこで判断すればいい?
佐野先生コラム1

佐野先生!うちのワンちゃんの動物病院を探しています。
でも、どうやったらワンちゃんに本当に良い動物病院を探せるのか、わからなくって…獣医師さんから見た、良い動物病院の探し方を教えてください!

大切な「わが子」であるワンちゃんにいつまでも健康でいて欲しい!と願うのは飼い主さんにとって「当たり前」のことだと思います。

 

ワンちゃんは(当然ですが)人間の言葉が話せませんので、体調不良を本人(本犬?)から「聞き出す」のは不可能です。普段の様子をよく観察してもらい、季節により生じる変化、年齢により生じる変化などを意識しながら、何かおかしいかな?ということがあった時にすぐに動物病院で診察を受けれるようにしておいていただけることが大切です。

 

今回は、大切なワンちゃんを診てもらう判断の一つとしての、動物病院の選び方について少し、お話をしてみたいと思います。

 

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ぜひお願いします!

私は、大学病院に勤務している傍、全国あちこちの病院の麻酔管理や集中治療管理、疼痛管理(ペインクリニック)などのお手伝いをさせていただいております。麻酔や痛みの管理 というのは飼い主様に直接見える部分ではありませんし、外科手術や内科の治療(内服薬の処方)のように、それだけで利益をあげるのが非常に難しい診療科の一つと言われています。

 

しかし、ワンちゃんも我々と同じく痛みを感じますし、そのケアは非常に重要と考えられています。まず非常にシンプルに「私目線」からのいい動物病院、いい獣医師先生のポイントとしては、こういった「飼い主様の目に見えにくい」診療部分に熱心に取り組まれている病院・先生は、やはり本当に動物のためを思っているんだろうな・・・・と感じることができます。病院HPや口コミではわかりづらい部分でもありますので、心配になった時には、直接、聞いてみるのがいいかもしれません。

 

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選ぶポイントは、「飼い主の目に見えにくい診察部分にも、しっかり取り組まれてるという点ですね!
そして目に見えない部分だけに、心配なことは質問して、しっかり教えてもらうことが大切ということがわかりました。

「いい病院」「いい先生」の基準は非常に難しく、この時期になると、次の春に獣医師になろうとする学生達からも「先生、どこかいい病院(いい先生)紹介してくれませんか?」とお願いされることがあります。何を持って「いい病院」「いい先生」とするかは、個人の感覚ですから(良く言う、いい人紹介して!と同じです<笑>)

 

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わかりました!実際に診察を受けてみて、動物病院を選んでみます。普段から相談できる関係性を作っておくと、イザというときにもスムーズに対応してもらえそうです。

実際に診療を受け、お話を聞いてもらい、対応を感じて、皆様にとって「安心できる」先生・病院を選ぶのがいいと思います。重大な病気になった時に、ゆっくりお話を聴く、時間を作って様子を見てもらう などはできないことも多いかもしれませんから、予防のためにも、少なくとも1年に1回、できれば1年に3〜4回程度は動物病院へ行くようにし、普段の栄養管理や予防、リハビリの方法など相談できる病院を「かかりつけ医」としてもらうのがオススメです。

 

佐野先生コラム1

確かに(笑)動物病院でも同じことが言えるんですね。
具体的には、飼い主としてどんな行動をしたら良いのでしょうか?

それと併せて、重大な病気になった時、救急状態の時に対応できる病院を探しておくのも大切です! もちろん、かかりつけの病院がそういった対応ができる病院であることが良いこともありますし、専門性の高い二次診療施設、三次救急施設に紹介してもらえる という関係性を持っている病院であるでも良いと思います。

 

なんでも相談でき、的確な意見やコメント、明確な診察をしてくれる先生、そして何より、みなさんとフィーリングの合う先生に出会っていただけることを願っております。

 

佐野先生コラム1

実際、私もいつもダメ出しばかりの獣医さんとはフィーリングが合わないと思って、行かなくなったことがあります…なんでも相談できる関係性、理想ですね!

佐野先生コラム2

あ、あと大切なことをもう1点いいですか?

良い病院は、受付、看護師さんをはじめとする周辺スタッフの皆様の様子も良いことが多いです。特に動物看護師さんの「動物への愛情」を強く感じられる病院は何よりオススメの病院です!!!

 

佐野先生コラム1

そうなんですね!診察のサポートなどをしてくださる動物看護師さんの働きも、チェックして、我が家なりの「良い動物病院」を見つけてみます。
佐野先生、ありがとうございました!

佐野忠士先生

酪農学園大学 獣医学群 獣医学類 獣医麻酔学ユニット 准教授

小さい頃から生き物が大好きで、獣医師になる!という宣言を小学3年生の時にした時には両親はもちろん、親戚一同も「ただしなら・・・」と全員が納得! 獣医師になってからも動物好きは変わらず、どんどん深く深くの愛情へと・・・ 今は、縁の下の力持ち 的な 麻酔管理、疼痛(とうつう)管理、集中治療管理と人間の言葉を話せない動物たちの苦痛を取り除く分野の専門家として働けることを 誇りに思っています!